2026/08/13

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なぜBIMSTOKは、これからの維持管理にBIM/CIMとAIが必要だと考えるのか

なぜBIMSTOKは、これからの維持管理にBIM/CIMとAIが必要だと考えるのか

こんにちは。アーリーリフレクション BIMSTOKチームの三井です。

BIMSTOKでは現在、BIM/CIMの活用に加え、AIによる情報検索や、蓄積された維持管理情報をより活用しやすくするための機能開発を強化しています。

では、なぜBIMSTOKは、これからの維持管理にBIM/CIMとAIが必要だと考えているのでしょうか。
その理由は、単に世の中で注目を集めている技術だからではありません。

人手不足が進み、維持管理を担う人材の確保や技術継承が課題となる中、これまで人の経験や記憶に支えられてきた知識を、誰もが活用できるものにしていくことが、これからますます重要になると考えているからです。

BIM/CIMとAIは、そのための手段です。

今回は、なぜBIMSTOKがBIM/CIMとAIに取り組むのか。そして、これからの維持管理を持続していくために何が必要だと考えているのかをお伝えします。

1. これからの維持管理を、誰が支えていくのか

建物やインフラは、完成したら終わりではありません。その後、何十年にもわたって点検や修繕を繰り返しながら、安全に使い続けていく必要があります。

そして、その維持管理を支えているのは、現場で働く「人」です。

一方で、日本では少子高齢化や労働人口の減少が進んでいます。建設・インフラ分野においても、維持管理を担う人材の確保や、経験豊富な技術者が持つ知識・ノウハウをどのように次の世代へ引き継いでいくかが、これまで以上に重要になっています。

  • これまで経験豊富な技術者が担ってきた仕事を、これから誰が担っていくのか
  • 長年の経験の中で培われてきた知識や判断を、どうすれば次の担当者へ引き継いでいけるのか

私たちは、これからの維持管理を考えるうえで、「人が持っている経験や知識を、どうすれば次の世代の人も活用できるのか」という視点が重要になると考えています。

2. 情報はある。でも、すぐに活用できるとは限らない

施設を長く運用していると、日々さまざまな情報が蓄積されていきます。
点検・異常の記録、修繕履歴、現場で撮影した写真、設備マニュアル、定期報告書、センサーデータなど、その種類は多岐にわたります。

現場は、情報に溢れかえっています。
だからこそ課題になるのは、必要なときに必要な情報へすぐにたどり着き、活用できるかどうかです。

例えば、巡視中にある設備から、わずかな漏水を見つけたとします。

  • 「以前にも同じ場所で漏水していなかったか」
  • 「そのときは、どのような対応をしたのか」
  • 「最後に部品交換をしたのはいつか」
  • 「過去の点検では、どのような状態だったのか」

こうした情報がどこかに残っていたとしても、紙の資料やExcel、PDF、ファイルサーバーなどに分散していれば、一つひとつ探さなければなりません。

そして現場では、

  • 「この設備のことなら〇〇さんが詳しい」
  • 「前回対応した担当者に聞いてみよう」

ということもあると思います。

経験豊富な人が持っている知識は、維持管理にとって大切な財産です。
だからこそ、その知識をその人だけのものにするのではなく、次の人も活用できる形で残していくことが必要なのではないか。BIMSTOKは、そう考えています。

3. BIM/CIMで、「設備」と「情報」を一緒に見る

そこで重要になるのが、BIM/CIMです。

設備の点検記録や修繕履歴を整理するだけであれば、設備台帳などでも管理することができます。

では、なぜBIMSTOKはBIM/CIMを活用するのでしょうか。

BIM/CIMの大きな特徴は、施設や設備を視覚的に把握しながら、その設備に関する情報へアクセスできることにあります。そうすることで、その施設を熟知したベテランだけでなく、異動してきたばかりの担当者でも、設備の場所や状況を把握しながら、必要な情報にたどり着きやすくなります。

例えば、ある設備をBIM/CIM上で選択すると、

  • 2025年5月:定期点検を実施、異常なし
  • 2025年10月:巡視時に異音を確認
  • 2025年11月:詳細点検で軸受の摩耗を確認
  • 2025年12月:軸受を交換し、試運転後に復旧

といったような履歴を、時系列で確認できる。

さらに、それぞれの記録には現場写真や点検結果、修繕報告書、マニュアルなどが紐づいている。

BIMSTOKでは、BIM/CIMを単なる3次元モデルではなく、日々の維持管理で生まれる記録や経験を蓄積し、施設全体で活用していくための基盤と捉えています。

4. ただ、情報を蓄積するだけでは足りない

BIM/CIMを起点に情報を整理できたとしても、それだけですべての課題が解決するわけではありません。

施設は何十年にもわたって使われます。
その間、巡視や点検、修繕を繰り返せば、情報は増え続けます。一つの設備だけでも、何十件、何百件という点検履歴が蓄積されるかもしれません。
そこに修繕報告書や写真、定期検査報告書やマニュアルなどが加われば、情報量はさらに大きくなります。

情報をきれいに整理できても、その中から必要なものを探すことに時間がかかっていては、十分に活用できているとは言えません。
情報を蓄積することがゴールではなく、必要なときに使えることが大切です。

そこで、AIの役割が重要になってきます。

5. AIで、「情報を探す」から「知りたいことを聞く」へ

設備に情報が紐づき、維持管理の記録が蓄積されていくと、次に重要になるのが、その情報を必要なときに簡単に見つけられることです。
そこで、AIが人と蓄積された情報をつなぐ役割を担います。

例えば、ある設備について、

「この設備で過去に発生した異常を教えて」

と質問する。

するとAIが、その設備に紐づく点検記録や修繕履歴などから、関連する情報を探し出す。

さらに、

  • 「前回はどのように修繕した?」
  • 「同じような異常は過去にもあった?」
  • 「この症状についてマニュアルには何と書かれている?」

といった質問に対して、複数の情報を横断しながら、判断に必要な情報を整理して提示する。

蓄積された大量の情報の中から、質問の意図を汲み取り、複数の情報を横断しながら関連するものを見つけ出すことは、AIが力を発揮できる領域です。
人が情報の「保存場所」を探しにいくのではなく、AIに「知りたいこと」を聞くことで、必要な情報にたどり着ける。

情報が増え続ける維持管理だからこそ、私たちはAIが人と情報をつなぐ役割を担えると考えています。

6. BIM/CIMとAIで、過去の経験を次の判断につなげる

AIによって情報を活用するうえで重要になるのが、情報がどの施設や設備に関するものなのか、その関係性が整理されていることです。維持管理では、過去の記録だけでなく、実際の設備の状態や周囲の状況など、さまざまな情報を踏まえて判断する必要があります。

例えば、巡視中に担当者が、

「いつもより少し音が大きい気がする」

とわずかな変化に気付いたとします。

その時点では、故障ではないかもしれません。

しかし、

  • その気付きを写真やコメントとともに残しておく
  • 後日、別の担当者が点検し、異常を発見する
  • その後、修繕を行い、対応した内容や結果を記録する

そうすると、

気付き → 点検 → 異常 → 修繕 → 復旧

という一連の経験が、その設備の情報として蓄積されていきます。

そして数年後、別の担当者が同じような状況に直面したとき、AIによって過去の類似した記録や対応内容にたどり着くことができれば、それを新たな判断材料として活用できます。

つまり、過去の誰かの経験が、次の誰かの判断につながっていく。

BIMSTOKがAIによって実現したいのは、AIそのものに判断を委ねることではなく、蓄積されてきた情報や経験を、必要とする人が活用できる環境をつくることです。

7. 人の経験を、次の人が使える知識へ

これまで維持管理の現場では、多くの知識や経験が人から人へ受け継がれてきました。

もちろん、これからも人から人への技術継承は重要です。

一方で、人手不足が進み、一人ひとりが担う業務が増えていく中では、人から人へ伝えることだけに頼らない、新しい知識の残し方も必要になっていくと考えています。

日々の仕事の中で生まれる気付きや判断、そして実際にどのような対応をしたのか。
そうした一つひとつの経験を記録として残し、組織として蓄積していくことで、担当者が変わっても、次の人が活用できる情報にしていく。
それが、これからの維持管理に必要な情報のあり方だと考えています。

BIMSTOKは、BIM/CIMで情報を蓄積し、AIによって必要な人へ届けることで、一人ひとりの経験を、次の人が使える知識へ変えていく。

BIMSTOKは、そこにBIM/CIMとAIを組み合わせる大きな意味があると考えています。

8. 「知っている人がいる」から、「誰もが活用できる」へ

これまでの維持管理は、経験豊富な人の知識や判断に支えられてきました。
その価値は、これからも変わりません。

BIMSTOKが目指しているのは、そうした人の経験や知識を置き換えることではなく、より多くの人が活用できるものにしていくことです。

「この設備のことは、あの人に聞かないと分からない」
「過去に同じことがあったはずだけれど、記録がどこにあるか分からない」

そんな状況を少しずつ減らしていく。

人手不足が進むこれから、これまでのように人の記憶や経験だけに頼った維持管理を続けていくことは、ますます難しくなっていきます。

だからこそ、担当者が変わっても、経験年数が違っても、必要なときに必要な情報へたどり着き、これまで蓄積されてきた経験を自分の判断に活かすことができることが重要になってきます。

そのために、BIM/CIMで設備と情報を紐づけ、日々の業務を通じて施設全体の維持管理情報を蓄積していく。そしてAIによって、その中から必要な情報を必要な人へ届ける。

「知っている人がいる」状態から、「誰もが活用できる」へ。

BIMSTOKが実現したいのは、技術そのものではなく、人が変わっても、これまで積み重ねてきた情報や経験を活かし続けられる環境です。


維持管理BIM/CIMの導入や活用について、以下のような課題をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

  • 既存のBIM/CIMデータを維持管理に活用できるか知りたい
  • 点群データから維持管理用BIM/CIMを作成したい
  • 点検記録や補修履歴を3Dモデル上で管理したい
  • 現場担当者が使いやすい維持管理ツールを検討している
  • BIM/CIMを活用した維持管理業務の進め方を相談したい

実際の業務課題や管理対象を伺いながら、BIMSTOKでどのような活用が可能かをご説明いたします。

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