2026/07/22

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維持管理フェーズでAIを活かす鍵は、人にもAIにも"伝わる"BIM/CIMにある

維持管理フェーズでAIを活かす鍵は、人にもAIにも"伝わる"BIM/CIMにある

こんにちは。アーリーリフレクション BIMSTOKチームの御宿(みしく)です。

日々さまざまなお客様と維持管理の現場についてお話しするなかで、BIM/CIMの活用に課題を感じている方が多いと感じています。今回は、維持管理フェーズでBIM/CIMをどう活かすかについて、私なりの視点でまとめてみました。

1. はじめに:維持管理フェーズにおけるBIM/CIM活用の現状

維持管理フェーズに入ると、BIM/CIMは少し遠い存在になりがちです。

設計・施工では活用されていたのに、維持管理フェーズでは使われない。そうしたケースは珍しくありません。

理由はシンプルです。図面や台帳・Excelだけでも日々の業務は回る一方で、BIM/CIMの更新には一定の手間がかかるからです。また、ソフトウェアに不慣れな人には扱いが難しく感じられるでしょう。
点検や補修対応に追われるなかで、BIM/CIMを活用せずとも業務が進むのであれば、活用しないという選択をすることも自然なことです。

しかし、それはBIM/CIMに価値がないということではありません。

重要なのは、BIM/CIMを「3Dモデルを見るためのツール」としてだけでなく、維持管理業務の中で情報を探し、確認し、更新する流れにどのように組み込むか、という点です。

2. 維持管理情報は分散しやすく、“人が探す管理”には限界がある

ただ、その一方で、維持管理フェーズでも現場の情報は確実に積み上がっていきます。

点検結果、補修履歴、不具合の記録、写真、報告書。これらは多くの場合、ExcelやPDF、フォルダにバラバラに蓄積されていきます。

情報自体は残っていても、必要なときにすぐ取り出せる状態になっていないことは珍しくありません。

たとえば、ある部材について「過去にどんな補修が入っていたか」を確認したいとき。

フォルダをたどり、報告書を開き、該当箇所を探す、という作業が必要になります。熟練の担当者であれば問題なくこなせる作業ですが、それでも時間がかかるうえ、何より担当者個人の経験や記憶に依存することになります。

さらに、確認したい内容が複雑になるほど、その限界は明確になります。

  • 同じ仕様の部材で、不具合が出た箇所を横断的に確認したい
  • 過去5年で補修回数が多い設備を把握したい
  • 特定の劣化症状が出ている箇所を一覧で見たい

こうした確認は、資料が残っているだけでは簡単には行えません。

3. AIを活用するためにデータベース設計の重要性が増している

近年は生成AIやAIエージェントの活用が急速に進み、「点検履歴を横断的に分析したい」「過去の補修事例を検索したい」といったニーズも高まっています。

しかし、AIは魔法ではありません。

AIが力を発揮するためには、データが整理・構造化されている必要があります。

例えば、

  • 部材名称が統一されていない
  • 図面と写真が紐づいていない
  • 点検結果の記載形式がバラバラ
  • ファイル名だけで管理されている

といった状態では、AIが情報を正しく理解することは困難です。

つまり、今後の維持管理では、「AIを導入すること」そのものと同時に「AIが理解できるデータ基盤を作ること」が重要になってきます。

我々は、インフラ・建築業界におけるBIM/CIMが、そのデータ基盤に位置づけられるものだと考えています。

4. BIM/CIM が維持管理にもたらす 2 つの力

こうした課題に対して、BIM/CIM は 2 つの面から応えることができます。

まず、「人にわかりやすい」という点から。

従来の 2D 図面では、どの部材なのか・どこを補修したのか・どの位置で損傷が発生しているのかを読み取るには、一定の知識や経験が必要でした。

ですが、3D モデル上で情報を管理できれば、損傷位置・点検履歴・補修履歴・属性情報を空間的に把握できます。新人技術者への引き継ぎや、他部署との情報共有にも自然と活かせる形になります。

もうひとつは、「AI にわかりやすい」という点です。

BIM/CIM では IFC(Industry Foundation Classes)という建築・建設・土木分野における標準形式を活用することで、部材の名称や属性、関係性、位置情報などを整理されたデータとして保持できます。
そのため、BIM/CIMは単なる 3D モデルではなく、「どの部材が、どこにあり、どのような情報を持っているか」まで扱える「意味を持ったデータベース」として機能します。

AI が力を発揮するのは、データが構造化されているときです。「この部材は何か」「いつ点検されたか」「どんな補修が行われたか」といった関係性が整理されていれば、AI は情報を横断的に検索・分析・推論できるようになります。

BIM/CIM はその基盤として、人間にも AI にも「伝わる」形で情報を保持できる技術なのです。

5. 大切なのは、完成度よりも「更新され続けること」

ただ、こうしたデータ基盤も、現実の状態を反映し続けなければ意味を失っていきます。

維持管理において BIM/CIM を活かすうえで重要なのは、現場が無理なく更新し続けられる状態をつくることです。どれだけ精度の高いモデルを整備しても、更新が止まってしまえば実際の状態とのずれが生じ、次第に使われなくなっていきます。

そのため、最初からすべてを完璧に整えようとするのではなく、対象範囲や管理項目を、現場で更新し続けられる規模に絞って始めることが重要です。

6. おわりに

人が資料を一つずつ探す管理から、誰でも直感的に把握でき、必要な情報がすぐ出てくる管理へ。

BIM/CIM の強みは、3D で「見てわかる」ことと、構造化されたデータによって「現場の問いに答えやすくなる」こと、その両方にあります。
BIMSTOK では、誰もがその価値を維持管理の現場で活かし続けられる環境づくりを支援しています。


維持管理BIM/CIMの導入や活用について、以下のような課題をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

  • 既存のBIM/CIMデータを維持管理に活用できるか知りたい
  • 点群データから維持管理用BIM/CIMを作成したい
  • 点検記録や補修履歴を3Dモデル上で管理したい
  • 現場担当者が使いやすい維持管理ツールを検討している
  • BIM/CIMを活用した維持管理業務の進め方を相談したい

実際の業務課題や管理対象を伺いながら、BIMSTOKでどのような活用が可能かをご説明いたします。

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