2026/07/17

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維持管理BIM/CIMを現場に定着させるには。建設DX展で見えた3つの課題とBIMSTOKの取り組み

維持管理BIM/CIMを現場に定着させるには。建設DX展で見えた3つの課題とBIMSTOKの取り組み

こんにちは。アーリーリフレクション BIMSTOKチームの御宿(みしく)です。

弊社は2025年12月10日〜12日に開催されたJapanBuild内の建設DX展にBIMSTOKとして出展いたしました。
BIMSTOKは「BIM/CIMを活用して新しい維持管理のスタンダードを作っていくプラットフォーム」としてサービスを展開しています。

ありがたいことに展示会では想像以上の反響をいただくことができ、BIM/CIM活用への関心の高まりを実感しました。
その一方で、維持管理でのBIM/CIM活用はこれから検討するという方のお話を伺うと、実際に導入・活用を進めるうえではいくつかの共通した課題があることも見えてきました。

本記事では、展示会でのご来場者との対話を通じて浮かび上がった、維持管理フェーズにおけるBIM/CIM活用の課題、そしてその解決に向けたBIMSTOKの取り組みをご紹介します。

1.  維持管理フェーズでBIM/CIM活用が期待される背景

国土交通省は2023年4月より、小規模なもの等を除くすべての直轄土木業務・工事において、BIM/CIMの原則適用を開始しました。これにより、設計・施工フェーズでのBIM/CIMモデル活用が加速しています。

しかし、維持管理フェーズにおける活用は、まだ発展途上にあります。国土交通省の調査によると、維持管理フェーズでBIM/CIMを活用している設計・施工等の団体は10.6%にとどまっています。

参考:国土交通省『建築分野におけるBIMの活用・普及状況の実態調査 確定値<詳細>』(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/content/001880512.pdf

その一方で、維持管理フェーズでのBIM/CIM活用に関する実証実験では、明確な効果が確認されています。一例として、国土交通省の関連事業にて以下のような成果が報告されています。

主なメリットと具体的な効果

①必要な情報を探す時間を減らせる

国土交通省のモデル事業では、紙の図面・設備台帳を用いた従来の方法と、BIMやクラウド台帳を活用した方法を比較した結果、設備情報を検索する一連の作業で約54%の効率化が確認されています。

BIM/CIMモデル上で図面や設備情報を一元管理することで、必要な情報へ迅速にアクセスでき、紙の図面や設備台帳を探す手間を削減し、維持管理業務の効率化につながります。

②状況把握から対応判断までを早められる

BIM/CIMモデルには、部材ごとに仕様や点検履歴、補修履歴、補修計画などの属性情報を登録・管理できます。

損傷部位の状態や過去の補修履歴をモデル上からアクセスできるため、現状把握に必要な情報を効率的に収集し、補修の要否や優先順位などの対応方針を迅速に判断できます。

③ 点検業務の精度を高め、維持管理の品質向上を図れる

BIM/CIMモデル上で設備情報や点検履歴、今後の点検予定をまとめて確認することで、点検漏れや情報の見落としを防ぎやすくなります。

また、過去の点検・補修履歴を参照しながら対応することで、必要な情報に基づいた、より確実な維持管理につなげることができます。

④補修計画の精度を高め、コスト削減につなげられる

BIM/CIMモデルに蓄積した設備情報や点検・補修履歴を活用することで、施設の状態を踏まえた補修計画を立てやすくなります。

必要な補修の時期や範囲を検討しやすくなるため、手戻りや過剰な対応を抑え、長期的な維持管理コストの適正化につながることが期待されます。

※参考:
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/content/001585084.pdf
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/content/001596743.pdf
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/content/001596722.pdf
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/content/001596734.pdf
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/content/001596739.pdf
https://www.academia.edu/12388220/Macro_BIM_adoption_Conceptual_structures

上記のように、設計・施工フェーズと同様に維持管理フェーズでもBIM/CIMを活用することで、維持管理業務をより高度に、より効率的な形へと進化させていけるはずです。

2. 建設DX展で伺った、維持管理BIM/CIM導入の3つの課題

建設DX展の弊社ブースにお立ち寄りいただいた方の中には、前向きにBIM/CIMを活用したいと考えている方も多くいらっしゃいました。

ただ、多くの方が共通した課題でつまずいておられる印象を受けました。

課題1:維持管理に適したBIM/CIMをどのように用意するのか

BIMSTOKの画面を見て3Dモデル上に情報を残していくことに共感してくださる方は多くいらっしゃいました。

一方で、そもそも維持管理用のBIM/CIMデータをどう用意するのかが、導入にあたっての最初の壁となっている様子でした。

その中でも「施工で使ったBIM/CIMを活用したい」、「点群データからBIM/CIMを作りたい」という2つは、多くのご来場者からいただいたお声です。

現状では「施工で使ったBIM/CIM」は詳細度(LOD)が高く、維持管理で利用するには細かく分かれすぎてしまうため、作り直す必要があります。また、「点群データからBIM/CIMを作る」のもまずは点群データを作成するところから始まるため、いずれもその手間とコスト面が障壁となっているようでした。

課題2:活用方法を具体的にイメージできていない

展示会では、「3Dモデルで管理できると分かりやすい」「施設の状態を視覚的に把握できるのは便利だ」といった声を多くいただきました。

しかし、実際の業務においては、具体的にどの場面でどのようにBIM/CIMをどう使っていくのかのイメージがついておられない方が多く、そのことが導入を妨げるひとつの原因になっていることが分かりました。

課題3:誰がどのように情報を更新していくのか

「現場担当者や顧客にはBIM/CIMの知識がなく、高機能なツールが浸透しない」など、BIM/CIMデータの更新等の運用面でお悩みの方も多くいらっしゃいました。

維持管理フェーズは、点検結果、補修履歴、写真、報告書、設備情報など、日々さまざまな情報が追加・更新されます。だからこそ、「現場担当者が使えること」「操作が簡単であること」がサービスに求められる重要な条件であることを実感しました。

3. 維持管理BIM/CIMの活用に向けたBIMSTOKの取り組み

上記のように、維持管理BIM/CIMの活用においては、BIM/CIMそのものの有用性以前に、データ整備、活用設計、運用定着の3つが大きな課題になっていることが分かりました。

BIMSTOKではこれらの課題に対応するため、維持管理フェーズでBIM/CIMをよりスムーズに活用できるサービスを目指し、機能改善や研究開発を進めています。

①点群データからのBIM/CIM半自動生成

BIMSTOKでは、点群データを半自動的にBIM/CIMに変換するソリューションの研究開発を進めています。現在は、一部の施設において半自動生成を実現しており、今後は対応できる施設種別やモデル化の精度を広げながら、より実用的なソリューションを目指して開発を進めていきます。

これが可能になれば、「BIM/CIMデータを用意する」という障壁が解消できます。

②大容量データでも快適に動作し、BIM/CIMデータの更新も可能なBIMSTOKへ

今後は、施工段階で利用したBIM/CIMデータも、維持管理フェーズでうまく活用できるサービスを目指すことが重要だと感じています。

一方で、施工段階のBIM/CIMデータを維持管理で活用するには、現時点ではいくつかの課題があります。

主な課題は、データ容量と詳細度です。
施工段階のBIM/CIMデータは、維持管理で必要とされる情報よりも細かく作り込まれている場合が多く、含まれる情報量も多くなりがちです。

そのため、維持管理でそのまま利用しようとすると、ファイルが重く操作しづらい、管理したい単位よりも細かく分かれすぎていて現場担当者が扱いにくい、といった問題が生じることがあります。

BIMSTOKでは、こうした課題に対応するため、以下のような機能強化を目指しています。

  • 大容量データでも快適に閲覧・操作できるビューア
  • 維持管理に適した単位で情報を扱えるBIM/CIMオブジェクトのグルーピング機能
  • BIM/CIMの属性情報を維持管理業務に合わせて更新できる機能

これらの機能を通じて、施工段階で作成されたBIM/CIMデータを、維持管理業務でもより扱いやすい形で活用できるサービスを目指していきます。

③現場に定着する操作性・運用支援の実現

維持管理BIM/CIMを実務に定着させるためには、専門知識を持つ担当者だけでなく、現場担当者や管理者が日常的に使えることが重要です。

BIMSTOKでは、BIM/CIMの専門知識がない方でも、点検記録や補修履歴、写真、関連資料などを直感的に登録・確認できる操作性を目指して、機能改善を続けています。

また、維持管理業務では、情報の更新が継続的に発生します。そのため、ツールの使いやすさに加えて、現場で無理なく運用できるフローを整えることも重要です。

BIMSTOKでは、ツールの提供にとどまらず、実際の業務フローや管理対象に合わせた活用方法の設計、運用定着に向けた支援にも取り組んでいます。

「誰でも・迷わず・正確に」情報を扱える仕組みを整えることで、維持管理BIM/CIMを一時的な導入で終わらせず、日常業務の中で継続的に活用できる状態を目指しています。

4. まとめ

BIM/CIMの活用は、設計・施工フェーズから維持管理フェーズへと広がりつつあります。

しかし、維持管理の現場でBIM/CIMを活用するには、データ整備、活用シーンの設計、運用定着といった課題を一つずつ解消していく必要があります。
BIMSTOKは、そのような現場の課題に向き合いながら機能改善と研究開発を続けています。

ITの力で、維持管理業務に携わる方々がより力を発揮できる世界を目指して。
BIMSTOKは今後も、維持管理BIM/CIMの実務活用を支援してまいります。


維持管理BIM/CIMの導入や活用について、以下のような課題をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

  • 既存のBIM/CIMデータを維持管理に活用できるか知りたい
  • 点検記録や補修履歴を3Dモデル上で管理したい
  • 現場担当者が使いやすい維持管理ツールを検討している
  • BIM/CIMを活用した維持管理業務の進め方を相談したい

実際の業務課題や管理対象を伺いながら、BIMSTOKでどのような活用が可能かをご説明いたします。

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